機能性ディスペプシア(FD)でお悩みの方へ
1. 「食べるのが怖い」…それ、もしかして機能性ディスペプシアかもしれません
たとえば、こんな症状はありませんか?
食後すぐにお腹が張って苦しくなる
- 胃の重さやもたれがずっと続く
- 食欲がなくなり、食事が楽しめない
- げっぷが多い/吐き気がある
- 少量しか食べていないのに胸やけがする
- 辛い物や脂っこいものが食べられない
- お酒を避けるようになった
- 検査では異常なし…でも症状がつらい
- 食事会など、人との交流が不安
これらは「機能性ディスペプシア(FD)」と呼ばれる状態かもしれません。
目に見える異常がないため理解されづらく、精神的なストレスや孤独感を感じやすい病気です。
2. 機能性ディスペプシアとは?
どんな病気?
胃や腸に明確な異常がないのに、「胃の不快感」や「みぞおちの痛み」などが慢性的に続く状態です。
実はこの疾患、2013年に保険診療名となった比較的新しい診断名です。以前は「慢性胃炎」「ストレス性胃炎」などと呼ばれていました。
どんな人に多い?
健診を受けた方の約11~17%、上腹部の症状で病院に行った人のうち45~53%がこのFDといわれています。
意外と多い疾患です。
原因は?
はっきりとした原因は分かっていませんが、以下が関係していると考えられます。
- 自律神経の乱れ
- 胃の動きの低下
- ストレス
- 食習慣・生活習慣
- ピロリ菌感染 など
3. FDの胃で起きていること
→ 食後すぐに満腹感・膨満感
→ 食べ物が胃の中に滞って胃もたれ
→ 少しの刺激でも胃酸などで不快感
4. まずは病院での診断を
FDは他の病気と区別がつきにくいため、まずは内科や消化器科での検査(胃カメラなど)をおすすめします。
ピロリ菌感染の治療が必要な場合もあります。
5. 西洋医学的治療
- 薬物療法:
消化管の動きを助ける薬や胃酸を抑える薬、必要に応じて抗不安薬や漢方など - 生活習慣の改善:
バランスの良い食事、睡眠、運動、ストレス管理など
6. それでも改善しないあなたへ ― 鍼灸という選択肢
「検査では異常なし」「薬も効かない」… それでもつらい。
そんなとき、鍼灸があなたのお力になれるかもしれません。
鍼灸は、「 自律神経のバランス 」を整え、「 胃腸の働き 」を穏やかにサポートすることができます。
7. なぜ鍼灸がFDに合うのか?
鍼灸の刺激が、身体の表面から内臓に作用する「体性 – 内臓反射」や「体性 – 自律神経反射」を通じて、以下のような効果をもたらします。
- 胃の蠕動運動の促進
- 胃の伸展に対する過敏性の改善
- 血流の改善
- リラックス作用
当院では、東洋医学に基づき、腹部を細かく分けて観察し、それぞれに合ったツボを選んで施術します。手足や背中のツボを中心に行うため、お腹に直接鍼を打つことはありません。ご安心ください。
8. 最後に ― 心と体に、再び「食べる幸せ」を
機能性ディスペプシアは、食べる喜びや人とのつながりを奪ってしまう病気です。
- また家族と楽しく食卓を囲みたい
- 好きな物を、我慢せずに味わいたい
そんな願いを叶えるために、鍼灸という選択肢を、どうか思い出してください。
当院は、あなたが“本来の元気”を取り戻し、心から食事を楽しめる毎日を送れるよう、丁寧にサポートいたします。
機能性ディスペプシアは機能性消化管疾患と呼ばれる疾患の中の1つです。
他の機能性消化管である過敏性腸症候群と併発することも多くあります。気になる方はこちらのページ( 過敏性腸症候群でお悩みの方へ )もご参照ください。